砥石を使って包丁や刃物を研いでいると、どうしても砥石の表面がデコボコになったり、中央だけが凹んでしまったりしますよね。
そんなときに必要なのが「面直し」です。
砥石の面を平らに整えてあげることで、研ぎの効率も上がり、刃物の切れ味が格段に良くなるんですよ。
しかし、面直し専用のアイテム(平面修正用のダイヤモンド砥石など)は意外とお値段が高く、「そこまでお金をかけたくない」「家にあるもので代用したい」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、専用の面直し器がなくても身近な道具で代用できるアイデアや、100均アイテム・キッチン用品を活用してコストをかけずに砥石の面直しを行う方法をまとめました。
簡単な工夫で、砥石を長持ちさせながらしっかりとした研ぎ面を取り戻せますよ。
身近なもので代用できる砥石の面直し方法

まずは、家の周りにある素材を活かした面直しの方法をご紹介します。
コンクリートやサンドペーパー、ガラス板など、普段の生活で目にするものが意外と使えるんです。
ただし、砥石の種類(粗砥・中砥・仕上げ砥など)や硬さによって、向き不向きがある場合もあるので、実践する際は砥石の状態や用途をよく確認してくださいね。
コンクリートを使った面直し
「コンクリートで砥石を擦るだけで面直しになるの?」と思うかもしれませんが、実際にやってみると効果がありますよ。
特に粗めの砥石や、すでにかなり凹凸が激しい砥石のときには、コンクリートのザラザラした面が程よく削ってくれるんです。
適したコンクリート面の選び方
- できるだけ平坦な場所
たとえば、ブロック塀の天板や、玄関先の打ちっぱなしコンクリートなど、比較的フラットな面を探してください。 - 余計な汚れや砂利が少ない
大きな石やゴミが混じっているところだと、砥石を削るだけでなく傷めてしまう可能性がありますよ。 - なるべく乾燥している面
水が溜まっているような場所だと、砥石が濡れすぎて作業しづらいことがあります。
必要に応じて自分で少量の水を使って整えるといいですよ。
実際の使用手順
- コンクリート面をきれいに掃除
ほうきやブラシで砂やゴミを払って、ある程度清潔な状態にしましょう。 - 砥石に水を含ませる
普段研ぎに使う砥石と同様、水かぬるま湯につけて十分湿らせておきます。 - 砥石をコンクリートに押し当てて前後に動かす
力を入れすぎず、面全体を均等にコンクリートで削るイメージ。
砥石が平らになるまで、回数を決めて前後・左右にこすってみてくださいね。 - 途中で砥石の状態を確認
しばらく擦ったら、砥石を立てて見るなどして、面が平らになっているかチェックしましょう。 - 最後に水で洗い流す
砥石表面に付着したコンクリートの粉や汚れをしっかり落とし、終了です。
コンクリートを使う方法は荒削り向きなので、仕上げ砥や高級な砥石にはあまりおすすめできません。
場合によっては細かな傷が付くリスクもあるので、自己責任で試してくださいね。
サンドペーパーを使った方法
サンドペーパー(紙やすり)は、手軽に面直しできる道具として意外と使えるんです。
ホームセンターや100均でも手に入るので、コンクリートよりも扱いやすいかもしれません。
- 番手を選ぶ
砥石が深く凹んでいる場合は粗め(#60~#120程度)を使い、ある程度平らなら中程度(#240~#400)でもOKです。 - 平らな板やガラス面にサンドペーパーを敷く
サンドペーパーの下に布などを敷いて動かないようにするか、粘着タイプのサンドペーパーを選ぶと安定します。 - 砥石を水に浸しておく
砥石をしっかりと水で湿らせてから始めると削りやすいですよ。 - サンドペーパーの上で砥石を円を描くように動かす
均等に力がかかるよう、優しく円を描くイメージで削っていきます。
ときどき面の状態を確認し、まだ凹みがあれば続けてくださいね。 - 削りカスを洗い流す
作業中も、水をかけながら粉を流していくと摩擦がスムーズになります。
サンドペーパーは使い捨て前提ですが、細かな粒子が砥石の表面をしっかり削ってくれるため、面直し効果が期待できますね。
ガラス板での面直し方法
ガラス板は非常に平面度が高い素材として有名です。
そこに研磨剤を撒いて砥石を擦ることで、効率よく面直しができるんですよ。
- 平らなガラス板を用意
例えばガラスのテーブル板や古い窓ガラスなど、硬くて平らなものを利用。 - 研磨剤(またはサンドペーパー)をのせる
研磨剤としては耐水ペーパーでも良いですし、コンパウンドのようなものを塗布して使う方法もあります。 - 砥石を水で濡らし、ガラス板上で擦る
砥石の重みを活かして滑らすだけでも削られていきますよ。
力を入れすぎず、均一に動かすのがコツ。 - 削りカスは適宜拭き取り
砥石が平らになったら、水洗いして完了です。
ガラス板はなかなか手元にないかもしれませんが、家に不要なガラス面があれば有力な方法です。
ただし割れないように取り扱いには気をつけてください。
100均アイテムでできる面直し代用法

「コンクリートはちょっと抵抗があるし、ガラス板なんて家にない!」という方は多いですよね。
そんなときは100均ショップをのぞいてみましょう。
ダイソーやセリア、キャンドゥには、面直しに役立つ商品が意外と見つかるんです。
ダイソーで手に入る代用品
- サンドペーパー(耐水ペーパー)
ダイソーには番手がいくつか揃っているので、必要に応じてセット買いできるのが便利です。
番手を変えて使うと、最初に荒削りして最後に仕上げる…といった工程も可能。 - まな板シートや大理石プレート
大理石調のプレートや安価なガラスまな板が売られている場合、これを平面板として使う方法も。
そこに耐水ペーパーを敷いて砥石をこすることで面直しができますよ。 - ブロック型のコンクリートレンガ?
店舗によっては園芸コーナーに小さなコンクリートレンガが売っていることがあります。
これを使えば先ほどのコンクリート削りと同様の効果が得られるかもしれません。
セリアのアイテムを活用した方法
- 研磨用グッズ
セリアでも、紙やすりセットやサンドブロック(スポンジ状の砥石みたいなもの)が手に入ります。
スポンジ状の研磨ブロックは平坦度が気になるところですが、ある程度のデコボコ修正には使えるかも。 - プラスチック製まな板
これはそのまま面直しには向かないかもしれませんが、耐水ペーパーを貼るための下地として利用可能です。
平面度がそれほどでもないので、大きな凹凸修正には向かないかもしれませんが、軽いメンテならなんとか。
キャンドゥの商品活用術
- 角度付きのサンドペーパーホルダー
キャンドゥで見つかることもあるホルダー付きのサンドペーパーセットは、握りやすさを重視しているため、本来の目的とは違いますが砥石面直しにも応用可能。 - ガーデニング用の研磨石
剪定ハサミなどを軽く研ぐための小さな砥石や研磨ブロックが見つかることがありますよ。
面直しではないですが、砥石と合わせて使うアイテムとしてチェックしておくと面白いですね。
結局、100均で揃えるなら「サンドペーパー + 平らな下敷き」が一番安定していて応用力も高いと言えそうです。
キッチン用品を活用した面直し方法

実は、キッチンの中にも面直しに使えそうなものが潜んでいるんです。
耐水ペーパー、陶器の裏面など、思わぬアイテムが砥石の凹凸を整えてくれるかもしれません。
耐水ペーパーの活用方法
キッチンでよく見かけるかは微妙ですが、「耐水ペーパー」はホームセンターだけでなく、使い道が多いため常備している家庭もあるかもしれません。
- 大きめの耐水ペーパーを用意
番手は砥石の凹み具合によって選択しますが、#150~#400くらいが万能かもしれません。 - 平らな台所のシンクやカウンターに貼り付け
シンクがステンレスで多少曲面になっていたりする場合は要注意。
できればまな板などに貼り付け、その上でこするほうが安定します。 - 水を流しながら研ぐ
シンクの中で水を出しっぱなしにして、砥石をスライドさせると削りカスがすぐ流されて効率的です。
ただし、キッチンを濡らしたまま作業すると滑りやすいので、足元にもご注意くださいね。
陶器の裏面を使った方法
お皿や茶碗の裏面にはザラザラした未釉薬(が施されていない)部分があるものが多いですよね。
これが意外と砥石を削れるほどの粗さを持っている場合があるんです。
- 陶器の裏面を確認
白い茶碗や湯呑など、裏側がザラザラしているかをチェックしてください。 - 砥石を軽く水に浸し、陶器の裏に当ててこする
小さめの砥石なら対応しやすいですよ。
大きい砥石だと面積が合わず作業が大変かもしれません。 - 削りカスを洗い流しながら進める
こまめに水をかけつつ、少しずつ平坦にしていきます。
この方法はあくまで応急処置的な位置づけで、陶器が削れすぎるなどの問題もあるため、あまり大掛かりな面直しには向きません。
効果的な面直し代用法のコツ

どの方法を選んでも、共通して注意すべきポイントやテクニックがあります。
せっかく代用して面直しをするなら、よりスムーズに成功させたいですよね。
ここでは3つの重要なコツを紹介します。
平面を確保するポイント
砥石をきれいに平らにするには、自分が使う道具(コンクリートやサンドペーパー、ガラス板など)がしっかりフラットであることが大前提なんです。
- 可能な限り水平器や直定規でチェック
もし手元に水平器があれば、簡単に確認できますし、定規を当てて隙間を見てもある程度把握できますね。 - 段差やうねりが大きい場所は避ける
コンクリートの段差やヒビ割れがあると、砥石にムラが出てしまいます。 - 作業場所自体が安定しているか
ぐらつくテーブルや床で行うと、うまく力を均等にかけられないので注意しましょう。
均等に削るテクニック
- 8の字を描くように動かす
ただ前後に動かすだけだと、特定の部分が削れすぎることがあるんです。
大きめの8の字や円を描くように動かすと、全体が均等に削れやすくなりますよ。 - 裏返しながら複数回作業
砥石を裏表ひっくり返して同じ工程を行うと、偏りが出にくいんです。
もちろん、砥石に裏表がないタイプもありますが、四方を回すなどの意識を持つといいですよ。 - 削りカスや水を適度に除去
削りカスが溜まってくると滑りが悪くなったり、正確な削りが難しくなるので、適度に水をかけて流しながらが理想ですね。
仕上げの確認方法
- マジックで格子状に線を引く
作業前に砥石の表面にマジックで線を引いておき、削り終わった時点で線が均一に消えればフラットになった証拠ですよ。 - 定規を当てる
定規や金属の直定規を砥石に当てて、光が入る隙間がほとんどなければ合格ですね。 - 触ってみてなめらかか
最後は手触りでもチェック。
凹凸がなくスムーズなら、面直しは成功と言えるでしょう。
以上、自宅にあるもので砥石の面直しを行うためのアイデアやコツをたっぷりご紹介しました。
専用の面直し器があればもちろん便利ですが、わざわざ買わなくてもコンクリートやサンドペーパー、キッチンで余っているタイルなどを使って意外とちゃんと面直しができるんです。
ポイントは「しっかりと平面が確保できる場所・道具を使い、均一に砥石を削ること」ですね。
仕上げには、マジックで格子線を引いたり定規を当てたりして本当に平らになったか確認すると失敗も少なくなりますよ。
せっかく砥石を使って包丁や刃物を研いでいるのに、砥石自体が凸凹になっていたら効果半減です。
ぜひこの記事の方法を試してみて、低コストで砥石の面をしっかりリフレッシュさせてくださいね。