冷凍庫にストックしておける便利な「冷凍餅」。
思い立ったときにすぐ使えるのが魅力的ですが、「茹でるときに解凍は必要?」「どれくらいの茹で時間がベスト?」など、いざ調理するとなると悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、冷凍餅を茹でるときに知っておきたい正しい解凍手順や茹で時間の目安、モチモチ食感を保つためのコツまで詳しくお伝えしますよ。
ぜひ参考にして、おいしい茹で餅を手軽に楽しんでくださいね。
冷凍餅を茹でる基本の手順

まずは、冷凍餅の茹で方の基本となる手順を押さえておきましょう。
冷凍餅は凍ったまま茹でる方法と、一度解凍してから茹でる方法の2パターンがありますよ。
また、使用する鍋や水の量によっても仕上がりが変わってくるんです。
それぞれのメリットを理解して、ご自身に合った方法を選んでくださいね。
解凍の有無と下準備
冷凍餅を茹でるときに、最初に気になるのが「解凍は必要なのかどうか」という点だと思います。
結論から言うと、必ずしも解凍が必要なわけではありません。
凍ったままでも茹でることはできますし、解凍してから茹でる方法もあるんです。
ただし、仕上がりの食感や茹で時間の長さは変わってくるので、詳しく見ていきましょう。
そのまま茹でる方法
冷凍餅を袋から取り出したら、くっついていないか確認してくださいね。
もし複数の餅同士が凍りついていたら、軽く叩いて割り離すなどしてバラバラにします。
このとき、餅を無理やり力いっぱい折らないように注意してください。
硬い凍った餅を扱うので、包丁を使うなら手を切らないように十分気をつけましょう。
そのまま茹でるメリットは、下準備が少なくて手軽なこと。
ただし、茹で時間がやや長くなる傾向にあります。
食感としては、外側がゆっくり柔らかくなり、中まで熱が通るのに少し時間がかかりますよ。
解凍してから茹でる方法
一方で、冷凍餅を冷蔵庫や常温であらかじめ解凍してから茹でる方法もあります。
解凍しておくと、茹で時間が短くなるのが最大のメリット。
ただし、解凍具合が中途半端だと、餅の表面だけ柔らかく、中がまだ少し凍っている状態になりやすいんです。
そのため、茹で時間の見極めに気を使う必要がありますよ。
常温解凍する場合は、乾燥を防ぐためにラップをかけるなどして放置してくださいね。
また、電子レンジの解凍機能を使う方法もありますが、ムラなく解凍するのは難しいことがあるので、ご家庭のレンジ性能と相談しましょう。
適切な水の量と鍋の選び方
次に、餅を茹でる際の水の量や鍋の選び方についてです。
一度にたくさんの餅を茹でたい場合は、できるだけ広めの鍋や深い鍋を使うとよいですよ。
餅同士がくっつくと火の通りが不均一になりやすいので、余裕をもって並べられるサイズの鍋を選んでみてください。
水の量は、餅が完全に浸かるようにたっぷり使うのが基本です。
餅の個数や大きさにもよりますが、餅を入れても十分に表面が水面より下になるように意識すると、ムラなく加熱できますよ。
茹でる際は蓋をしないのがおすすめです。
蓋をしてしまうと、沸騰したときに餅が鍋底や他の餅とくっつきやすくなることがあります。
時々鍋を覗いて、餅がくっついていないか軽く菜箸などで動かしながら茹でると安心ですよ。
基本的な茹で手順
ここでは、もっともシンプルな方法として、冷凍餅をそのまま茹でる例を挙げますね。
- 鍋にたっぷりの水を入れて火にかける。
- 沸騰したら凍ったままの餅をそっと入れる。
- 再び沸騰するまで中火をキープし、餅同士がくっつかないように時々菜箸などでそっと動かす。
- 餅がふわっと膨らんできて、中まで柔らかくなるまで加熱する。
- 好みの柔らかさになったら火を止め、すくい網やお玉などで優しく引き上げる。
解凍してから茹でる場合は、初めの沸騰している鍋に入れた後、少し短めの時間で取り出せることが多いです。
この基本手順を押さえておけば、ほとんどの冷凍餅は美味しく仕上がりますよ。
冷凍餅の茹で時間の目安

餅を茹でる時間は、好みの食感や餅の種類によっても変わります。
「モチモチが好き」「やわらかめがいい」など、各家庭で好みが分かれるかもしれませんね。
ここからは、種類別の目安やサイズによる時間調整、さらには仕上がりの食感に応じた茹で時間のアレンジ方法を見ていきましょう。
種類別の茹で時間
ひと言で「餅」といっても、メーカーによって加工方法や成分が少しずつ違います。
以下はあくまでも目安としてお考えくださいね。
- 切り餅(ふつうサイズ):凍ったまま茹でると5~8分くらい。解凍後なら3~5分ほどでやわらかくなることが多いです。
- 丸餅:形状が分厚いため、凍ったままなら8~10分、解凍後なら5~7分ほどが目安です。
- 薄型餅(餅ピザ用など):薄いので茹で時間はさらに短め。凍ったままなら3~5分、解凍後なら2~4分程度でOKなことが多いですよ。
ただし、水の温度や投入タイミングによっても多少差が出るため、あくまで参考値という点にご注意ください。
サイズによる茹で時間の調整
同じ種類の餅でも、サイズによって茹で時間が大きく異なることがあります。
たとえば、個包装で1つあたりの量が多い切り餅と、小さめにカットされた餅では、同じ「切り餅」でも茹で時間は違ってきますよ。
大きい餅ほど加熱に時間がかかるのは当然なので、「中心まできちんと火が通るまで何分くらい加熱すればいいか」を意識してみてくださいね。
また、餅をあえて小さく切ってから茹でる方法もあります。
サイズが小さくなるほど早く柔らかくなるので、時間短縮したい方や、小さいお子さんに出すときなどに便利です。
好みの食感に合わせた時間調整
最終的には、「どのくらい柔らかくしたいか」「表面のとろけ具合を重視するか」など、好みが大きく影響します。
- 柔らかめが好きな方:記載されている目安時間よりやや長めに茹でましょう。箸で餅をつまんだときに、すんなり切れるくらいが目安です。
- ほどよい歯ごたえがほしい方:目安時間ぴったりか、やや短めであげると、少しだけ弾力が残った食感になります。
何度か作っているうちに、「わが家はこのぐらい茹でたほうが好みだな」というベストタイミングが見つかるはずですよ。
おいしく茹でるためのコツ

冷凍餅をただ茹でるだけではもったいないです。
せっかくなら、モチモチでおいしい仕上がりを目指したいですよね。
ここでは、餅の食感を保つポイントや温度管理、茹で終わったあとに冷ますタイミングなど、ワンランク上の茹で方のコツをお伝えしますよ。
モチモチ食感を保つ秘訣
茹で餅の魅力は、口に入れたときの独特のモチモチ感ですよね。
これを最大限引き出すには、以下の点を意識してみてください。
- 茹で過ぎ注意
あまりにも長時間茹ですぎると、餅が溶け出してドロドロになってしまうことがあります。特にサイズが小さい場合は要注意。 - 短時間で一気に加熱
一気に加熱することで、表面がプルンと仕上がりやすいんです。最初に鍋のお湯をしっかり沸騰させてから餅を投入するのもコツですよ。 - 鍋の中で餅同士をくっつけない
餅同士がくっつくと、熱の通り方にムラができたり、表面の食感が崩れたりします。適度にかき混ぜるか、菜箸でそっと離してくださいね。
茹でる際の温度管理
茹でる温度は、基本的には沸騰状態を保つ中火から強火が良いですよ。
ただし、激しい沸騰で鍋があふれそうなときは火力を調整してくださいね。
餅を投入すると一時的に温度が下がりますので、再沸騰を目安に火力を調節し、適度にぐつぐつ茹で続けるのがポイントなんです。
弱火すぎると餅がふやけるばかりで、内部まで熱が通りにくくなることもあるのでご注意を。
取り出すタイミングと冷ます方法
餅がふっくら膨らみ、箸やフォークなどで刺してみてやわらかく通るようなら、茹で上がりの合図ですよ。
取り出すときは、餅が柔らかいので崩れやすいです。
穴あきお玉やすくい網などを使って、そっとすくい上げましょう。
引き上げた直後はとても熱いので、皿や器に移す際も火傷に気をつけてくださいね。
もし、熱々の状態が好みでなければ、鍋から取り出した後に一瞬だけ冷水にくぐらせる手もあります。
表面が引き締まり、モチモチ感が増すように感じる方もいますよ。
ただし、長時間水に浸けっぱなしにすると餅が水っぽくなってしまうので、さっと冷やす程度にとどめましょう。
茹でた後のアレンジ方法

茹で餅はそのまま食べてももちろんおいしいですが、一工夫加えるとさらに楽しみの幅が広がりますね。
ここからは、茹で上がった餅の定番の食べ方や、おかず系のアレンジ、余った茹で餅の保存方法をご紹介します。
定番の食べ方
茹でたばかりの餅は、シンプルにきな粉や砂糖醤油をつけて食べるのが王道ですよね。
また、少し甘めに味付けしたあんこや、納豆、海苔巻きなどと組み合わせるのも定番。
やわらかく茹でた餅と程よい塩気の醤油や味噌だれの組み合わせは、ごはんとはまた違った満足感を得られますよ。
お好みで大根おろしと醤油を加えた「おろし餅」もさっぱりしていておすすめです。
具材との組み合わせ
茹で餅を使ってボリュームのある一品に仕上げたいときには、スープや鍋料理に入れる方法が簡単ですよ。
- お雑煮風:だしのきいた汁物に、茹で餅を後入れしてもOK。冷凍餅から茹でたのであれば、もうすでに柔らかい状態なので、サッと加熱するだけで完成です。
- ピリ辛スープ:キムチやコチュジャンを入れたスープに餅を加えれば、お腹をしっかり満たす一杯になります。野菜や肉をたっぷり入れて栄養バランスも整えましょう。
- チーズとの相性:茹でた餅にとろけるチーズを絡めて、カルボナーラ風やグラタン風に仕上げると新感覚ですよ。小さめにカットした餅なら、食べやすさもアップします。
いずれも餅が茹で上がった状態からのスタートなので、短時間で調理できるのが嬉しいですね。
余った茹で餅の保存方法
一度茹でた餅をすべて食べきれなかった場合は、できるだけ早めに保存方法を工夫してください。
- 冷蔵保存:冷ましてからタッパーやラップで包み、なるべく空気に触れないようにして冷蔵庫へ。翌日くらいまでには食べるのがおすすめ。
- 冷凍保存:再冷凍は、正直あまりおすすめできません。品質が落ちやすく、解凍後に食感が悪くなりがちです。ただし、どうしても捨てられない場合には、ラップでしっかり包んで冷凍し、早めに使い切るようにしてください。
また、冷蔵した茹で餅は固くなりやすいので、再度食べるときにはスープやお汁粉に入れるなど、加熱して柔らかさを取り戻す方法がよいですよ。
これで、冷凍餅を茹でる際の正しい解凍手順や茹で時間の目安、さらにおいしく仕上げるためのコツやアレンジ方法まで一通りご紹介しました。
日持ちのする冷凍餅はとても便利な食材ですが、茹で方のちょっとした違いで仕上がりが変わるのが面白いところでもあります。
ぜひ、自宅にある冷凍餅を茹でる際には、今回お伝えしたポイントを参考にしてみてくださいね。
解凍の有無や時間の調整、温度管理など、いろいろ試してみると、自分好みのモチモチ度合いに仕上げられるようになるはずです。
寒い季節にも暑い季節にも、餅は気軽に楽しめる食材なので、今後もぜひレパートリーを増やしていってください。
おいしい茹で餅ライフを堪能できますように。
どうぞ快適な餅調理を楽しんでくださいね。