ブリは刺身や照り焼きなど、さまざまな料理で人気の魚ですよね。
でも、「ブリのうろこ取りってどうやるの？」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
実際、初めてのうろこ取りは、どんな道具を使えばいいのか、どの向きに削ればいいのかなど、分からないことだらけかもしれません。
そこで今回は、初心者の方でも簡単に取り組めるブリのうろこ取りの方法を、道具や手順、注意点とあわせて詳しくご紹介しますよ。
うろこが飛び散るのを防ぐコツや、専用道具がない場合の代用テクニックもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ブリをおいしく味わうために、まずはうろこをきれいに処理してみましょう。
ブリのウロコを取るための基本道具と準備
うろこ取りをスムーズに進めるためには、まず必要な道具や下準備をしっかり整えておくことが大切です。
初めての方は、専用のうろこ取り器や包丁以外にも、いろいろ代用できる道具があると知ると安心できるのではないでしょうか。
ここでは、作業を始める前に押さえておきたいポイントをまとめていますよ。
必要な道具と代用品
うろこ取りの道具というと、専用器具を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は包丁やスプーン、たわしなど家にあるもので代用できることもあります。
いずれの場合も、扱いやすさや慣れによって選んでみてくださいね。
ウロコ取り専用道具
- うろこ取り器：魚のうろこ取り専用にデザインされた器具です。 ギザギザの刃や円盤状の金属部分がついているものが多く、効率よくうろこを削ぎ落とせます。 専用器具だけあって、初心者でも使いやすいのが特徴ですよ。
- 市販の皮むき器を応用：皮むき用のピーラーには向き・刃の形が合わず、うろこがうまく落ちないことがあるので注意が必要です。 どうしても皮むき器を使うなら、刃が曲線的なものではなく、なるべくフラットなタイプを選ぶとマシかもしれません。
家にある道具での代用法
- 包丁：プロの料理人がよく使う方法です。 包丁の背でしごくようにしてうろこを削り取るのが一般的ですよ。 慣れが必要ですが、コツをつかめばしっかり落とせます。
- スプーン：形状が絶妙にフィットして、初心者でも比較的扱いやすいです。 金属スプーンならしっかりうろこが取れますし、うろこが飛び散りにくいとの声もあります。
- たわし：少し硬めのナイロンたわしや金属たわしなどを使うと、魚の表面にこすりつける感覚でうろこを落とせます。 ただし、かなり時間がかかる可能性があり、大きなブリでは根気が必要かもしれません。
作業前の準備と環境
うろこ取りを始める前に、魚を作業しやすい状態に整えておくといいですよ。
- ブリの下処理：内臓を抜いてある状態（または買った直後の状態）でもOKですが、うろこ取りを優先させたい場合は内臓は後で処理しても大丈夫。 まずはうろこだけを落としてから内臓処理に移る方もいます。
- 冷蔵庫から出して温度を少し戻す：氷のように冷たすぎると、うろこや身が硬くて扱いにくいケースもあります。 かといって放置しすぎると鮮度が落ちるので、作業する直前に出すくらいで十分です。
- 手元に不要なビニール袋やキッチンペーパーを用意：うろこを拭き取ったり、作業台をさっと片付けたりするときに役立ちます。
ウロコが飛び散るのを防ぐコツ
ブリはうろこが大きくて硬めのため、勢いよく削ると飛び散りがちです。
そのままキッチンで作業すると、床や壁にうろこが散乱してしまうかもしれません。
そこで、飛び散りを最小限にするための工夫をいくつか紹介しますね。
- 大きめのビニール袋や新聞紙で覆う：ブリを袋の中に半分入れ、開口部から手を入れてうろこ取りを行うと、飛び散ったうろこが袋の中に溜まりやすいです。
- シンク内で作業する：深めのシンクに魚を置いて、流水をかけながらうろこを取ると、うろこが水と一緒に流れるため散らばりにくいという声もあります。
- 手早く一定方向にしごく：短いストロークで何度もガリガリするよりも、ある程度大きくスッと削るようにすると、飛ぶ距離が抑えられるケースがありますよ。
初心者でも簡単なウロコの取り方手順
ここからは、具体的なうろこ取りの手順を見ていきましょう。
初心者の方がつまずきやすいポイントを押さえつつ、効率的にうろこを外していく方法をステップごとにお伝えしますね。
「ブリの持ち方」「削る方向」など、基本を意識すれば、スムーズに進められるはずです。
ブリの持ち方とコツ
まずはブリをしっかり固定することが大切です。
- 作業台にまな板を敷く：安定した土台がないと、魚が滑って危険です。
- ブリの頭を左側、尻尾を右側に向けて置く（右利きの場合）：右手でうろこ取り器や包丁を使うとき、左手で魚を押さえるのに便利ですよ。
- 頭や背ビレ付近を片手でしっかり押さえる：魚がぐらつかないように、でも力を入れすぎて身を潰さないよう加減するのがポイント。
大きめのブリだと重たくて扱いづらいかもしれません。
その場合は、シンク内に一部を置いたり、キッチンペーパーを敷いて滑り止めにするなどして工夫してみてください。
効率的にウロコを取る方向性
一般的に、魚のうろこは尻尾から頭の方向へと重なって生えているので、「頭側から尻尾側へ向けてこそぎ落とす」ほうが取りやすいとされています。
ただ、ブリの場合はどの方向からやっても意外とよく取れるという声もあります。
ここでは、定番の方法として「尾から頭へ向かって削る」やり方をご紹介しますね。
- 尾側から頭に向かって削る：うろこが生えている向きと逆に刃を当てるイメージです。 柄をしっかり握り、ギザギザや包丁の背を少し斜めに当て、ザクザクとこそぎます。
- 表面をなでるように優しくではなく、やや力を込めて：うろこはしっかり食い込んでいることがあるので、多少の力が必要ですよ。 ただし、深く押しすぎると身にまで刃が入る恐れがあるため、力加減を調整してくださいね。
- 短いストロークよりも、ある程度大胆に：何度も細かくこすると、うろこが飛び散りやすいです。 少し長めに滑らせるように削ると、うろこがまとまって落ちやすいかもしれません。
見落としやすい場所の処理法
ブリは体が大きいので、背びれ周辺やお腹付近など、うろこが残りやすいゾーンがいくつかあります。
- 背ビレや腹ビレの付け根：ヒレの根元にはうろこが密集していることが多いです。 この部分を包丁やスプーンの先端で丁寧にこそぐようにすると取りやすいですよ。
- エラ蓋（ふた）付近：頭側のギリギリのところも忘れずに削ってくださいね。
- 尾の付け根から尻ビレにかけて：尻尾近くは硬い骨が多く、うろこも頑丈なケースがあるんです。 気合を入れてしっかり落としましょう。
作業の終盤に全体を軽く触りながら、ざらつきがないかチェックしてみてください。
残っているうろこがあれば、ピンポイントで削っていくと完璧ですね。
道具別のウロコ取りテクニック
先ほどは全体の手順をざっくり説明しましたが、道具によってコツが微妙に異なります。
ここからは、「専用器具」「包丁」「スプーンやたわし」など、それぞれを使うときのポイントを見ていきましょう。
ウロコ取り専用器具の使い方
- ギザギザの刃を魚の表面に当てる：角度は45度前後が目安です。
- 尾側から頭へ向かって引くようにこする：力を入れすぎると、刃が身に入りすぎるかもしれません。 でも弱すぎると全然うろこが取れないので、適度な圧力をかける感覚を探してみてください。
- こまめに器具を水洗いする：刃の間にうろこが詰まると効率が落ちます。 溜まってきたら軽く水で流しましょう。
専用器具は初心者にとって使いやすく、うろこを大きくまとめて落としやすい利点がありますよ。
値段も数百円程度で買えるものが多く、一つ持っておくと便利です。
包丁を使ったウロコの取り方
- 刃ではなく“背”を使う：包丁の刃を当てると危険かつ身を削りがちなので、慣れないうちは背で削るのが基本です。
- 小刻みに刃の背を当てる：力の加減が難しいので、最初は少しずつ試してみてください。
- 刃先の先端や峰でヒレ周りを丁寧に：細かい部分は包丁の先端や峰（背の先端）を使い、そっとこすると取りやすいです。
包丁を使いこなせると、他の道具がなくてもすぐにうろこを処理できる強みがあります。
ただし、指を切ったり身を傷つけたりしないよう、十分に注意してくださいね。
スプーンやたわしでの代用テクニック
- スプーン：
- スプーンの凹んだ部分を魚の表面に押し当てるようにして、尾から頭へ向けて削る。
- うろこが大きくなってくると、スプーンの中にうろこが溜まりやすいので、途中で拭いながら作業するといいですよ。
- 先端を使ってヒレ周りやエラ蓋付近を念入りにこすると、残りやすい小さなうろこを落とせます。
- たわし：
- 硬めのたわしでこするだけなので、力加減はやや強めに。
- 大きなうろこがいっぺんに落ちにくいこともありますが、安全面では比較的安心です。
- 水を流しながら行うと、落ちたうろこがさっと流れて飛び散りを抑えられるかもしれません。
このように、家にあるもので代用できるのは嬉しいですよね。
ただ、作業効率を求めるなら、やはり専用器具や包丁のほうが早い傾向があることは押さえておきましょう。
ウロコ取りでよくある失敗と対処法
最後に、初心者が陥りやすい失敗パターンと、その対処法をまとめてみます。
ブリのうろこ取りは慣れればスムーズに進められますが、最初のうちは予想外のトラブルが起きるかもしれませんよね。
ここで事前に知っておくと、落ち着いて対応できるはずです。
ウロコが取れにくい場合の対策
- 魚がまだ冷たすぎる：冷蔵庫から出したての魚は身やうろこも硬く感じることが多いです。 少しだけ室温に置いて、表面が柔らかくなってから取り始めるとやりやすいですよ。
- 道具にうろこが詰まっている：刃やギザギザ部分にうろこが溜まると、効果が半減します。 こまめに水洗いしたり、キッチンペーパーで拭ったりしてクリアな状態を維持しましょう。
- 刃を当てる角度が浅い：本当に軽くこすっているだけだと、うろこが外れにくいです。 少し深めに刃（または器具）を当てて、グッと押し出すように削るとスッと取れるケースがあります。
身を傷つけずに取るコツ
- 力を入れすぎない：勢いよく削ると、うろこと一緒に身の表面まで削り取ってしまうことも。 もったいないので、あくまでうろこだけを引っかけて剥がすイメージで行うのが大切ですよ。
- 包丁の背を使うときは注意深く：焦ってガリガリやっていると、刃が回転して身に当たる恐れがあるので、持ち手をしっかり固定するよう心がけてくださいね。
- 難所は慎重に：ヒレ周りや頭付近は特に身を傷つけやすいゾーン。 細かく動きを調整しながら少しずつ進めると安全です。
後片付けの手間を減らす工夫
- 新聞紙やビニール袋で受け止める：最初に紹介したように、全体を覆っておけば飛び散ったうろこをまとめて処分しやすいですよ。
- シンク内で作業して水で流す：こまめにシンクの排水口をチェックして、詰まらないようにこまめにうろこを回収してください。
- うろこが床や壁に付着したらすぐに拭く：時間が経つとこびり付いて取りづらくなることがあります。 見つけたらさっと拭き取りましょう。
こうした工夫をしておけば、作業が終わったあとにラクに片付けられますよ。
以上、初心者でも挑戦しやすいブリのうろこ取りの方法や注意点をまとめてみました。
ブリは身が大きく脂の乗った美味しい魚ですから、うろこをきれいに取り除いておけば、その後の調理が一段と楽しくなります。
うろこ取り器や包丁をうまく使いこなすコツを押さえて、身を傷つけずに、そしてキッチンをあまり汚さずに仕上げてくださいね。
慣れないうちは少し時間がかかるかもしれませんが、回数を重ねるうちに手際が良くなっていくはずですよ。
ブリ料理を存分に楽しむためにも、今回ご紹介したテクニックを活かしてみてください。
シンプルな作業ながら、ちょっとしたコツで仕上がりがグッと変わりますよ。
うろこ取りが終われば、次はいよいよ切り身の準備やお刺身、煮付け、照り焼きなど、いろいろなレシピにチャレンジしてみてくださいね。
どうぞおいしいブリの世界をたっぷり堪能してください。
